
歯周病は自分で治せるのか、自宅でできる対処方法があるのかについては、ごく軽度の場合のみセルフケアで歯茎の炎症をかなり改善させることが出来ます。歯周病が軽度の場合はどのようなものか、程度を含めましてご紹介いたします。
目次
歯周病とは?その原因と症状
歯周病は、歯肉や歯槽骨が炎症を起こす疾患で、進行すると歯を失うリスクがあります。主な原因は歯垢と呼ばれる細菌の塊で、それが溜まることで、歯茎が炎症を起こし、次第に歯を支える骨が破壊されます。失われた歯茎や骨は戻りらないため、中度以上に進んでしまうと、完治させることは難しくなります。しかし初期の段階で、歯茎に炎症が起こって赤く腫れている状態の場合は、セルフケアのみでかなり改善させることが出来ます。
主な症状
- 歯肉の腫れや出血
- 口臭
- 歯の動揺
- 歯茎の後退
歯周病は完全にセルフケアだけで治すことは難しい
歯周病は完全にセルフケアだけで治すことは難しいですが、歯磨きなどのケアを適切に行うことで症状の改善や進行を食い止めることが出来ます。
セルフケアで可能なこと
- 毎日の丁寧な歯磨き
- デンタルフロスや歯間ブラシの使用
- 禁煙
- バランスの取れた食事
- ストレス管理
これらの方法で歯茎の炎症を改善し、歯垢の蓄積を防ぐことができます。ただし、歯周病が既にかなり進行している場合は、歯科医師や歯科衛生士による専門的な治療が必要です。定期的な健診も受けるようにしましょう。セルフケアは歯周病の予防や、歯肉炎などの軽度の症状の改善には効果的です。しかし、中等度以上の場合は、セルフケアと専門的な治療を組み合わせることが最も効果的です。
歯周病の進行を防ぐ基本的なセルフケア
歯周病の進行を防ぐためには、毎日の歯磨きが欠かせません。以下の方法を取り入れることで、歯周病の予防や初期段階の改善が期待できます。
基本的なセルフケアのポイント
1. 正しい歯磨き
歯周病予防の基本は、正しい方法で歯磨きを行うことです。歯垢を効果的に除去し、歯茎の健康を保つことができます。
歯磨きのポイント
ポイント | 具体的な内容 |
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歯ブラシの選び方 | 毛の柔らかい歯ブラシを使用し、優しくアプローチします。 |
ブラシの角度 | ブラシの毛先を45度の角度で歯と歯肉の境目に当てるのが効果的です。 |
動かし方 | 軽い力で小さな円を描くように優しく磨きましょう。 |
時間をかける | 各部分を20〜30秒、全体で2〜3分程度を目安に丁寧にブラッシングします。 |
2. 歯間ブラシとフロスの使用
歯ブラシだけでは歯垢を完全に除去することはできません。歯間ブラシやデンタルフロスも使用することで、歯間や歯と歯茎の境目などの細かい部分の清掃が可能になります。
歯間ブラシの使い方
ポイント | 具体的な内容 |
---|---|
適切なサイズを選ぶ | 歯間ブラシは無理なくフィットするサイズを選びましょう。 |
使い方 | 歯間に差し込み、優しく前後に動かします。無理に押し込まず、歯肉を傷つけないようにしましょう。 |
頻度 | 毎日1回の使用が理想。特に夜寝る前の使用が効果的です。 |
フロスの使い方
デンタルフロスにはホルダータイプと糸巻タイプがあります。慣れるまではホルダータイプが使いやすいのですが、糸巻タイプの方が汚れが良く落ちますので、糸巻タイプの使い方をぜひマスターしてください。
ポイント | 具体的な内容 |
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適量を取る | 30~40cm程度のフロスを取り、両手の指に巻き付けて使用します。 |
動かし方 | 歯間から歯のカーブに沿って上下に優しく動かします。歯肉を傷つけないよう注意しましょう。 |
毎日実施 | 毎食後、特に就寝前に習慣的に使用するのが理想とされます。 |
3. 抗菌マウスウォッシュの使用
歯ブラシやフロスだけでは届かない部分の細菌を除去するために、抗菌マウスウォッシュの使用も効果的です。
使い方
ポイント | 具体的な内容 |
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適量を口に含む | 製品に記載された使用量を守り、適量を口に含みます。 |
口全体に行き渡らせる | 約30秒間、口全体に行き渡るようにしっかりとブクブクうがいをします。 |
頻度 | 朝と夜の1日2回の使用がおすすめです。 |
4. 健康な食生活
食生活の改善も歯周病の予防には欠かせません。特に、糖分の多い食品や飲料を控えることで、歯垢の形成を抑えることができます。
食生活の改善ポイント
- バランスの取れた食事・・ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を積極的に摂取します。
- 糖分の制限・・お菓子やジュースなど、糖分の多い食品の摂取を控えます。
- 緑茶の摂取・・緑茶にはカテキンという抗菌作用のある成分が含まれており、歯周病予防に効果的です。
口腔内の健康を保つための食生活の改善
食生活の改善も歯周病予防に重要です。特に、糖分の多い食品や飲料はプラークを増加させるため、注意が必要です。
お口の健康のための食生活の改善方法
- 糖分の摂取を控える
- ビタミンCを多く含む食品を摂る(柑橘類、ブロッコリーなど)
- 緑茶を飲む(カテキンが抗菌作用を持つ)
市販のデンタルケア製品を活用しよう
市販されているデンタルケア製品を上手に活用することで、歯周病の予防や改善が期待できます。
おすすめのデンタルケア製品
- 歯周病予防用の歯磨き粉
- 抗菌マウスウォッシュ
- 電動歯ブラシ
効果的な使い方
- 歯磨き粉は毎回適量を使用する
- マウスウォッシュは食後や寝る前に使用する
- 電動歯ブラシは適切な時間をかけて使用する
歯周病予防に役立つ生活習慣の見直し
日常生活の中で取り入れられる予防法を実践することも、進行を防ぐうえで大切です。
生活習慣の見直しポイント
- 禁煙(タバコは歯周病のリスクを高める)
- 定期的な運動(血行を良くすることで歯肉の健康を保つ)
- ストレスの管理(ストレスは免疫力を低下させる)
具体的な実践方法
- 禁煙プログラムに参加する
- 毎日30分以上のウォーキングを行う
- 瞑想やヨガでストレスを軽減する
定期的な歯科健診を受けよう
自宅でのセルフケアに加えて、定期的に健診を受けることも重要です。歯科衛生士に歯垢や歯石をクリーニングしてもらい、歯や歯茎をチェックしてもらうことで、歯周病の早期発見や予防が可能になります。
健診の内容
クリーニング前に汚れ(磨き残し)の染め出しをしてもらうと、うまく磨けていない場所や、汚れがたまりやすい場所がはっきりとわかります。
やること | 具体的な内容 |
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歯垢と歯石の除去 | 歯科衛生士が専用の器具を使い、歯垢や歯石を丁寧に取り除きます。 |
歯茎の健康状態チェック | 歯周ポケットの深さや炎症の有無を確認し、必要に応じて治療を行います。 |
セルフケアのアドバイス | 磨き残しの確認と、歯ブラシの使い方や清掃のコツについて指導を受けられます。 |
まとめ
毎日の歯磨きを正しく行うことによって歯肉炎を改善させたり、歯周病の進行を遅らせることもできます。正しい歯磨き方法や歯間ブラシの使用、抗菌マウスウォッシュの活用、そして健康な食生活を取り入れることで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。また、定期的に歯茎の腫れや歯周ポケットの深さの検査を受けることで、歯周病が進んでいないか知ることが出来ますので、定期健診は必ず受けるようにしましょう。