審美歯科

一般歯科と審美歯科の違いは何ですか?機能と見た目から分かりやすく解説

一般歯科と審美歯科の違いは何ですか?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

一般歯科と審美歯科の違いは何ですか?

一般歯科は歯や口の病気を治療することが目的で、審美歯科は美しさや見た目の改善を重視した治療を行う分野です。

この記事はこんな方に向いています

  • 「一般歯科と審美歯科ってどう違うの?」と疑問を感じている方
  • 保険診療と自費診療の違いについて知りたい方
  • 見た目の美しさも考えた歯科治療を検討している方

この記事を読むとわかること

  1. 一般歯科と審美歯科の基本的な違い
  2. それぞれの治療内容や目的
  3. 保険が適用されるかどうかの違い
  4. 自分に合った歯科治療を選ぶためのポイント

 

一般歯科と審美歯科の違いは何ですか?

一般歯科はむし歯や歯周病といった病気を治すことを目的とし、機能の回復に重点を置いています。一方で審美歯科は、歯の色・形・並びなど「見た目の美しさ」にこだわった治療を行うのが特徴です。どちらも歯の健康に関わりますが、目指すゴールが「機能重視」か「見た目重視」かで違いがあります。

一般歯科=病気を治す、審美歯科=美しさを整える、が大きな違いです。

一般歯科ではどんな治療が中心なのですか?

一般歯科では、保険診療を基本として歯や歯茎の病気を治療します。むし歯治療、歯周病治療、詰め物や被せ物による機能回復、入れ歯の調整などが代表的です。目的は「噛めるようにする」「痛みをなくす」ことで、生活に支障が出ないようにすることがゴールです。

一般歯科は「治すこと」を中心にした診療です。

主な治療内容

  1. むし歯治療 → むし歯を削り、詰め物や被せ物で補う
  2. 歯周病治療 → 歯垢や歯石を取り、歯茎の炎症を改善
  3. 入れ歯治療 → 歯を失った部分を補い、噛む機能を回復
  4. 予防処置 → 歯磨き指導や定期健診

一般歯科は「生活に必要な歯の機能」を回復するための診療です。

審美歯科ではどのような治療が行われますか?

審美歯科では、歯を白くするホワイトニング、セラミックによる被せ物や詰め物、歯並びの改善など「見た目の美しさ」を中心とした治療が行われます。噛む機能も大切にしますが、より自然で美しい口元を目指すのが目的です。

審美歯科は「美しくすること」を重視した診療です。

主な治療内容

ホワイトニング:歯の色を薬剤で白くする処置

  • セラミック治療 → 自然な見た目で耐久性の高い詰め物・被せ物
  • 矯正治療の一部 → 不正咬合を改善し見た目も整える
  • ガミースマイル治療 → 笑ったときの歯茎の見え方を改善

審美歯科は「自然で美しい見た目」を求める人に適しています。

保険は一般歯科と審美歯科でどう違いますか?

一般歯科の多くは保険が適用され、患者さんの費用負担が少なく済みます。一方で審美歯科は「見た目の改善」という性質から、基本的に保険が適用されず自費診療になります。そのため治療費は高額になることがありますが、自然な仕上がりを追求できます。

一般歯科=保険が使える、審美歯科=自費が多い。

保険の違い

  • 一般歯科 → むし歯治療・入れ歯などは保険適用
  • 審美歯科 → ホワイトニングやセラミック治療は保険外
  • 例外 → 機能回復を主目的とする場合、一部は保険適用になることもある

費用面を考えると「どこまで美しさを求めるか」で選び方が変わります。

見た目を意識する治療はすべて審美歯科ですか?

見た目に配慮した治療でも、機能回復を主目的にしていれば一般歯科で扱われます。たとえば前歯の被せ物も、最低限の見た目と機能を保つ形なら保険診療です。しかし「より自然に」「より美しく」と求める場合は審美歯科の領域に入ります。

そして、保険診療では使える材料が限られていますので、その範囲内の材料での治療は一般歯科治療となります。ただし、保険診療と保険外診療は同時にできないというルールがありますので、その調整が必要になる場合があります。

見た目重視=審美歯科、最低限の見た目+機能=一般歯科です。

つまり、治療の目的が「生活に必要な機能」か「美しさ」かが分かれ道になります。

自分には一般歯科と審美歯科のどちらが向いている?

一般歯科と審美歯科のどちらを選ぶかは、「機能を直したいのか」「見た目もこだわりたいのか」で判断します。歯の痛みや噛めない不便を解消したいなら一般歯科、自然な笑顔や自信を持てる口元を手に入れたいなら審美歯科が向いています。

目的に合わせて使い分けるのが大切です。

選び方の目安とは?

一般歯科が向いている人

  • 歯が痛い、しみる、腫れているなど症状がある
  • 費用を抑えて最低限の治療をしたい

審美歯科が向いている人

  • 歯の色や形が気になり自信が持てない
  • より自然で美しい仕上がりを求めたい

「どんな生活を送りたいか」を基準に選ぶと、自分に合った治療が見つかります。

一般歯科と審美歯科の「歯科医師から見た違い」

歯科医師の立場からすると、一般歯科と審美歯科の大きな違いは「ゴール設定」にあります。

一般歯科では「噛めるように治す」「痛みをなくす」ことが最優先。治療の結果、見た目が多少不自然でも、健康を守ることが目的なので許容されます。

審美歯科では「見た目の自然さ」「笑顔の美しさ」をゴールに設定します。そのため、治療後の見た目や色合いにこだわり、使用する材料や技術も高度になります。

つまり、同じむし歯治療でも「どう仕上げたいか」によって治療方針が変わるのです。

「審美歯科は見た目だけ」というよくある誤解

「審美歯科=見た目のためだけ」と思われがちですが、それは半分正しく半分間違いです。
審美歯科の治療では、見た目を整えると同時に、噛み合わせや歯の健康も考慮するのが一般的です。

  • セラミック治療では、むし歯を治すと同時に自然な歯の色に近づける
  • 矯正治療の一部は見た目の改善と同時に不正咬合を改善し、将来の歯周病リスクを減らす

つまり、審美歯科は見た目と機能をバランスよく考える治療とも言えます。

一般歯科と審美歯科を組み合わせるケース

実際の診療では「一般歯科と審美歯科を組み合わせる」ことが多いです。

例えば…

  • 前歯のむし歯を治す → 機能回復だけなら保険診療(一般歯科)
  • さらに色や透明感まで整えたい → セラミック治療(審美歯科)

また、入れ歯を作る場合も同様です。

  1. 一般歯科 → 保険の入れ歯(機能を回復できるが見た目はシンプル)
  2. 審美歯科 → 自費の入れ歯(自然な歯に近く、金具も目立たない)

生活の基盤は一般歯科、美しさは審美歯科で補強するのが現実的な選び方です。

クリニック選びで気をつけたいポイント

一般歯科と審美歯科の違いを理解した上で、自分に合うクリニックを選ぶことも大切です。

一般歯科が得意なクリニック

  • 保険診療中心で、むし歯・歯周病・入れ歯に力を入れている

審美歯科に力を入れているクリニック

  • セラミックやホワイトニングなど自費治療の症例数が多い
  • 両方バランスよく対応しているクリニック
  • 一般診療の流れで審美治療も提案してくれる

まずは「症状を治したいのか」「見た目にこだわりたいのか」をはっきりさせると、クリニック選びで迷わなくなります。

一般歯科と審美歯科は対立する分野ではなく、役割が違うだけで互いに補い合う存在です。

  1. 一般歯科 → 歯の健康を守る基盤
  2. 審美歯科 → 生活の質を高めるプラス要素

健康な歯があるからこそ美しい口元が生まれ、美しい口元があるからこそ自信を持って日常を過ごせます。

まとめ

一般歯科と審美歯科をうまく使い分けよう

一般歯科は歯の病気を治す、審美歯科は見た目を整える。両者の違いを理解することで、自分にとって本当に必要な治療が見えてきます。まずは一般歯科で健康を守り、必要に応じて審美歯科で美しさをプラスする、という使い分けが賢い選択です。

「健康=一般歯科」「美しさ=審美歯科」と考えるとわかりやすいです。

項目 一般歯科 審美歯科
主な目的 病気を治す・機能回復 見た目を美しくする
治療内容 むし歯治療、歯周病治療、入れ歯 ホワイトニング、セラミック治療、審美矯正
保険適用 多い ほとんどない(自費)
向いている人 痛み・噛めないなど生活に困っている人 笑顔や見た目に自信を持ちたい人
この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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