歯並びが悪いと虫歯になりやすいの?
歯並びが悪いと虫歯になりやすい傾向があります。歯が重なり合ったり、傾いて生えていたりすると、歯垢が溜まりやすく、歯磨きが行き届きにくい状態が続くためです。また唾液の流れや噛み合わせにも影響し、虫歯のリスクを高めます。
この記事はこんな方に向いています
- 歯並びが悪く、虫歯になりやすい気がする方
- 歯磨きを頑張っているのに虫歯が繰り返しできて困っている方
- お子さんの歯並びと虫歯予防について知りたい方
- 矯正治療を検討しているものの、虫歯予防との関係がよく分からない方
この記事を読むとわかること
- 歯並びと虫歯リスクの関係
- 歯並びが悪いと歯垢が溜まりやすい理由
- 噛み合わせや唾液の流れと虫歯の関係
- 歯並びが悪くても虫歯を防ぐ方法
- 歯並びを整えることで得られる予防効果
目次
歯並びが悪いと本当に虫歯になりやすいの?
歯並びが悪い状態は「不正咬合」と呼ばれ、虫歯リスクを高める要因がいくつも重なっています。歯が重なり合うと歯垢が溜まりやすく、歯ブラシが届きにくい部分が増えます。噛み合わせの偏りや唾液の分布の不均衡も虫歯の発生に関係します。そのため歯並びが整っている方に比べ、虫歯になるリスクが高まる傾向があります。
歯並びが悪いと磨き残しが増えるため、虫歯リスクは上がります。
不正咬合は見た目だけの問題と考えられがちですが、口腔内環境にも影響を与えます。歯が重なって生えていると、歯ブラシが上手く入らず歯垢が残ります。歯垢は虫歯の細菌が増える温床になり、虫歯の発生を引き起こしやすくなります。
また、噛み合わせの偏りで特定の歯に負担がかかると、その部分の歯質が弱くなり虫歯が進行しやすい状況になります。これらが重なることで、歯並びの悪さは虫歯のリスクに直結します。
歯並びが悪いと歯垢が溜まりやすいのはなぜ?
歯並びが悪いと、歯と歯の間が極端に狭くなったり、段差ができたりするため歯垢が溜まりやすくなります。歯ブラシの毛先が届きにくい箇所は磨き残しが常に発生し、虫歯菌が活動する環境が整ってしまいます。とくに歯が重なって生えている部分や、奥歯側に倒れている歯は歯垢の温床になりやすい場所です。
歯が重なったり段差があると歯垢が溜まりやすく、虫歯が発生しやすくなります。
磨き残しが多い代表的なスポット
- 重なって生えている歯の境目
→ 細い隙間に歯ブラシの毛先が入らず、歯垢が残りやすい部分です。時間が経つと歯石に変わる可能性もあります。 - 奥歯の手前側のくぼみ
→ 奥歯に向かうほどブラシ操作が難しく、歯の溝や段差に歯垢が溜まりやすくなります。 - 傾いて生えた歯の接触面
→ 歯と歯が変な角度で接するため、通常より磨きにくく、歯垢が溜まりやすい構造になります。 - 歯列の内側(舌側)の凹凸部分
→ 舌側は見えづらく、手元感覚だけで磨くため、どうしても磨き残しが発生しやすい場所です。
歯並びが悪いと、歯垢が溜まる「死角」が多くなります。歯垢が長時間残った状態は虫歯菌が活動しやすい環境であり、毎日の歯磨きでは取り切れない部分が虫歯の入口になります。歯垢は1〜2日放置すると歯石になり、歯石の表面はザラザラしているためさらに歯垢が付きやすく、悪循環が続きます。
歯並びの悪さが噛み合わせに影響し、その結果虫歯につながるの?
噛み合わせは歯の健康と密接に関わっています。歯並びが乱れると噛む力が特定の歯だけに集中し、その歯が欠けたり、摩耗したりすることがあります。歯が弱ると虫歯菌への抵抗力も下がり、虫歯が進行しやすい環境が生まれます。
噛み合わせが偏ると歯に負担がかかり、虫歯が起こりやすくなります。
噛む力は本来、歯全体でバランスよく分散されるのが理想です。しかし不正咬合によって噛み合わせがずれると、一部の歯が過剰な負担を受けます。負担が蓄積すると歯の表面のエナメル質が欠けたり摩耗したりし、虫歯菌が侵入しやすい状態になります。
さらに過度な摩耗があると象牙質がむき出しになり、虫歯が一気に進行するリスクも高まります。
歯並びが悪いと唾液の流れが悪くなり、虫歯リスクが高まることはある?
唾液は虫歯予防のために欠かせない存在です。唾液には殺菌作用や酸を中和する働きがあり、食後に酸性に傾いた口腔内を元の状態に戻す役割があります。歯並びが悪いと一部の歯に唾液が行き届きにくく、虫歯予防効果が得にくくなるケースがあります。
唾液が届きにくい場所が増えるため、虫歯リスクが上がることがあります。
唾液が行き届きにくくなる状況
- 歯が入り組んで唾液の通り道が狭くなる
→ 複雑な歯列は唾液の流れを妨げ、細かい部分に唾液が届きにくい状況を作ります。 - 上下の歯が噛み合わず、磨耗していない部分が増える
→ 磨耗が起こらない歯面は滑らかさが保たれず、歯垢が付着しやすい特徴があります。 - 頬や舌の動きが歯の形に合わせにくい
→ 歯並びが乱れていると、食べ物を動かす際の舌や頬の動きがスムーズに働きづらく、唾液も均一に行き渡りません。
唾液は歯の健康を守る重要な機能を担っていますが、歯並びが乱れていると唾液の働きが十分に発揮されない箇所が出てきます。結果として、虫歯菌が酸を作り出す環境が続き、虫歯の発生率が高くなります。唾液量に問題がなくても、歯並びによって唾液の流れは変化し得るため注意が必要です。
歯並びが悪い方が虫歯を放置しやすいって本当?
歯並びが悪いと虫歯の発見が遅れやすく、痛みを感じる頃には進行しているケースも少なくありません。重なっている部分に虫歯ができると視認しづらく、歯科医師でも確認に時間を要することがあります。
虫歯に気づきにくいため放置しやすい傾向があります。
歯並びが整っている場合、虫歯は鏡でも確認しやすく、痛みや違和感も早期に感じ取れます。しかし歯並びが悪いと、虫歯ができても視界に入りにくく、違和感にも気づきにくくなります。
歯科医院での健診でも、歯が重なっている部分は探索が難しいため、見つかるタイミングが遅れることがあります。虫歯が深くなってから治療すると、被せ物や詰め物など大掛かりな処置が必要になることもあります。
歯並びを整えると虫歯の予防につながる理由は?
歯並びを整えることで歯磨きのしやすさが向上し、歯垢の残存量が大幅に減ります。唾液の流れも均一になり、噛み合わせのバランスも改善されることで歯の健康が保たれやすくなります。その結果、虫歯の予防につながる要素が複合的に整います。
歯並びが整うと、虫歯になりにくい環境に変わります。
歯並びを整えることで改善されるポイント
- 歯磨きの効率が向上する
→ 凹凸が減り磨き残しが減少することで、歯垢の付着が少なくなります。 - 唾液が均一に届きやすくなる
→ 歯列がスムーズになることで唾液が全体に行き渡りやすくなります。 - 噛み合わせの負担が均等になる
→ 特定の歯だけに負担が集中することが減り、歯質が強い状態を維持しやすくなります。 - 虫歯の発見が早くなる
→ 歯と歯の隙間が見やすくなるため、初期の変化に気づきやすくなります。
歯並びが整うことは見た目の改善にとどまらず、虫歯予防という大きなメリットがあります。毎日のセルフケアの質が高まり、口腔内の健康を長期間保ちやすくなります。とくに虫歯が繰り返しできる方にとって、歯並びの改善は根本的な対策となる場合があります。
歯並びが悪くても虫歯を防ぐためにできるケア方法は?
歯並びが悪い場合でも、生活習慣やケア方法を工夫することで虫歯リスクを大きく下げることができます。歯磨きをするタイミングや磨き方、補助清掃用具の使用、歯科医院での健診など、取り入れやすい予防策を丁寧に行うことが重要です。
工夫次第で虫歯は予防できます。
具体的なケア方法
- デンタルフロスを活用する
→ 歯と歯の間に残った歯垢は、フロスでなければ除去が難しいことがあります。毎日行うことで歯垢残存量が大きく減ります。 - タフトブラシを使う
→ 歯が重なっている部分や奥歯の裏側など、通常の歯ブラシでは届きにくい箇所を重点的に磨けます。 - 甘いものをダラダラ食べない
→ 口の中が酸性状態のまま続くことを避け、虫歯の発生環境を抑える効果があります。 - 定期的に歯科医院で健診を受ける
→ 歯並びが悪い方は特に、小さな虫歯を早期発見することが重要です。プロによるクリーニングで歯垢・歯石をリセットできます。 - フッ素入りの歯磨き粉を使う
→ 歯質を強化し、初期の虫歯を予防する効果があります。
歯並びが悪くても、適切なケアと生活習慣を続けることで虫歯は十分に予防できます。とくにフロスやタフトブラシなどの補助用具を使うことは、磨き残しを減らすうえで非常に効果的です。歯科医院での定期的な健診も欠かせません。
まとめ
歯並びの悪さは単なる見た目の問題ではなく、虫歯リスクを高める大きな要因です。歯垢が溜まりやすい構造や唾液の偏り、噛み合わせの問題などが重なり、虫歯が発生しやすい環境が続きます。歯並びを整えることは虫歯予防として非常に効果的で、健康な歯を長く保つための大きな助けになります。
しかし、歯並びが悪くても適切なケアを行うことで虫歯リスクを抑えることは十分可能です。毎日の習慣を見直し、歯科医院と協力しながら、少しずつ環境を整えていくことが大切です。
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