歯と口の基礎知識

外出先で歯磨き出来ないときはどうする?

外出先で歯磨き出来ないときはどうする?

外出先で食後の歯磨きができない場合があります。しかし、食後の口腔ケアを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。外出先で歯磨きができないときの対策や便利なデンタルケアグッズについてご紹介します。

外出先での口腔ケアの重要性

 

歯磨き外出先でも出来るだけ食後は歯磨きをして、歯に挟まった食べ物のカスや糖分を洗い流してすっきりしたいものです。

歯磨きは、自宅での歯磨きと同じくらい重要です。食事や飲み物を摂取した後、食べ物のカスや糖分がお口の中に残ると、虫歯や歯周病の原因となります。外出中でもできる限り食後は歯磨きをして、虫歯や歯周病にならないようにしましょう。

とはいえ、外出先では歯磨きが出来ないことが往々にしてありますので、歯磨き出来ない場合の代替手段についても知っておきましょう。

歯磨きができないときの代替手段

外出先で歯ブラシが使えない場合、いくつかの代替手段があります。

  1. 口をゆすぐ・・水やマウスウォッシュを使って口をゆすぐことで、口の中の食べかすや菌を取り除くことができます。食後に水を飲むだけでも食べ物のカスは洗い流されます。
  2. シュガーレスガムを噛む・・ガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、食事によって酸性に傾いているお口の中が中和されます。
  3. 食後にチーズを食べる・・チーズには歯を強化するカルシウムが含まれており、食後に少量のチーズを食べることで虫歯予防に役立ちます。

食事後にできる簡単な歯のケア方法

歯磨きができない場合でも、食事後にすぐにケアをすることで口内の健康を維持することが可能です。以下のような方法があります。

  • 水でうがい・・簡単にできる方法ですが、口の中に残った食べ物のカスを洗い流し、口臭を防ぐ効果があります。飲み水が手に入る場所であれば、ぜひ試してみてください。
  • 舌を使って歯を掃除・・舌で歯の表面をこすって、食べ物のカスを取り除く方法です。歯磨きの代わりにはなりませんが、応急的な処置として有効です。
  • リンゴやセロリを食べる・・歯磨きができないときには、繊維質の高い食品を食べることで、食べ物のカスや歯垢を自然に除去する効果が期待できます。

外出先に持ち歩くと便利なデンタルケアグッズ

これらのグッズを持ち歩くことで、外出先でも快適にデンタルケアを行うことができます。

1. 歯間ブラシ・デンタルフロス

食事後に歯間に詰まった食べ物を取り除くために、歯間ブラシやデンタルフロスが役立ちます。これらは小さなケースに入れて持ち運ぶことができるため、バッグの中でも邪魔になりません。

  • 使い方のポイント・・軽く押し込むようにして歯間に挿入し、優しく動かすことで食べ物のカスを取り除きます。サイズが異なるため、歯間の広さに合わせたものを選びましょう。
  • 持ち運びやすさ・・小さなケースに入っており、ポケットやバッグに簡単に収納できるため、外出時でも携帯しやすいのが特徴です。
  • 歯間ブラシの種類・・一般的なブラシタイプの他、ゴム製でより柔らかいタイプもあります。歯茎が敏感な方には、ゴムタイプの使用が推奨されます。

2. ガム

キシリトール配合のガムは、食事後に噛むことで唾液の分泌を促し、口内の洗浄効果を高めることができます。無糖タイプのものを選ぶと虫歯予防にも効果的です。歯磨きが出来ないときはガムを噛むこともおすすめです。

  • 選び方のポイント・・無糖でキシリトールを含むガムがおすすめです。キシリトールには虫歯を予防する効果があり、虫歯菌の活動を抑えることが知られています。
  • メリット・・ガムはどこでも手軽に噛むことができ、持ち運びもしやすいため、外出先での歯のケアに最適です。さらに、ガムを噛むことで唾液の分泌が増え、自然な自浄作用が期待できます。

3. 口腔スプレー

口腔スプレーは、水がない環境でも手軽に使えるアイテムです。食事後に口の中をすっきりさせたいときや、口臭が気になるときに活用できます。

  • 使い方のポイント・・1~2プッシュで口内全体にスプレーするだけで、爽快感を得ることができます。メントールやハーブ成分が含まれているものが多く、瞬時に口の中をリフレッシュさせます。
  • 持ち運びに便利・・小型ボトルで、バッグやポケットに収納しやすいので、外出時に持ち歩きやすいのが特徴です。また、飛行機や長距離移動中など、歯磨きができないシーンでも役立ちます。
  • 注意点・・口腔スプレーは口臭を一時的に抑える効果はありますが、歯垢や食べ物のカスを除去する効果は期待できないため、あくまで応急処置として使うことが大切です。

4. ウェットティッシュ

ウェットティッシュは手や口の周りを拭くためのアイテムですが、食後に歯を拭くことでも一時的な清潔感を保つことができます。

  • 使い方のポイント・・軽く歯の表面を拭くだけで、食べ物のカスや飲み物の残りを取り除くことができます。柔らかい素材のウェットティッシュを選ぶことで、歯茎を傷つけることなくケアできます。
  • メリット・・特に水がない場所で食事をした場合、ウェットティッシュを使って口内の食べ物の残りを拭き取ることで、口内環境を保つことができます。

5. マウスウォッシュ

最近では、使い捨ての小型マウスウォッシュも販売されており、外出時に手軽に使えるアイテムとして人気です。個包装になっており、場所を取らないため、外出時に携帯するのに便利です。

  • 使用方法・・飲み物を口に含むのと同じ要領で、個包装のマウスウォッシュを口に含み、30秒ほどすすいで吐き出します。これにより、歯垢や食べ物のカスを洗い流すことができます。
  • メリット・・即効性があり、外出先でも水を使わずに口内の清潔を保つことができるため、非常に便利です。また、携帯性が高く、特に出張や旅行の際には役立つアイテムです。

6. 水の入ったペットボトル

外出先で水が手に入らない場合、水のペットボトルを持っていると便利です。

虫歯・歯周病の予防策としての毎日のデンタルケア

外出先でのケアだけでなく、毎日の口腔ケアを徹底して行うことで、歯の健康を保つことができます。

  • 定期的な歯科健診・・3~6ヶ月に一度の定期健診を受けることで、早期発見と治療が可能になります。
  • バランスの取れた食事・・歯に良い栄養素を含む食事を心がけ、糖分が多い、または酸性の強い飲食物の摂取を控えましょう。
  • 正しい歯磨き習慣・・毎日の歯磨きは2回、各回2分以上行い、デンタルフロスも使用して歯と歯の間もきれいにしましょう。

外出前にできる予防策

外出前に口内環境を整えておくことで、歯磨きができない時間をカバーすることが可能です。以下のような予防策を取りましょう。

歯垢がたまるのを防ぐフッ素入り歯磨き粉を使用する

フッ素入りの歯磨き粉を使ってしっかり歯を磨くことで、虫歯の予防になります。外出前に丁寧に磨くことで、歯垢の蓄積を抑えることができます。

デンタルフロスや歯間ブラシでのケア

歯間の歯垢は歯ブラシだけでは完全に取り除けません。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、外出前にきちんとケアしましょう。

マウスウォッシュで仕上げる

歯磨き後にマウスウォッシュを使って仕上げることで、口内の殺菌効果が高まり、歯垢や口臭の予防に役立ちます。

まとめ

歯磨き

外出先で歯磨きができないときでも、歯磨きの代わりになる方法をいくつか知っておくことでお口の健康を保つことができます。また、便利なデンタルケアグッズを持ち歩くことで、どこにいてもお口のケアが可能です。

外出先で歯磨きができないときの対処法を取り入れることで、外出中で歯磨きが出来ない時も虫歯や歯周病のリスクを減らしてお口の健康を維持することができます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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