予防歯科

予防歯科の重要性とは

予防歯科の重要性とは

予防歯科の重要性を尋ねられて、すぐに答えられる方は少ないかもしれません。予防歯科を疎かにしなければ、歯や歯茎の状態について定期的に指導や確認ができ、ご自身の歯を健康に維持し、長く使う事ができます。詳しくご紹介いたします。

予防歯科は何をするところ?

予防歯科

予防歯科は、歯科医療の一分野で、歯やお口の健康を維持し、問題を未然に防ぐことを目的としています。

  1. 定期的な歯科健診
  2. 歯のクリーニング
  3. フッ素塗布
  4. シーラント処置
  5. 正しい歯磨き指導
  6. 食生活のアドバイス
  7. 早期発見・早期治療

これらの取り組みにより、虫歯や歯周病などの口腔疾患を予防し、健康な歯と歯茎を長期的に維持することを目指します。

予防歯科の重要性

歯

予防歯科の重要性は、歯や歯肉を健康に保つ目的のためです。予防歯科へ定期的に通院していると、天然歯を残せて、結果的に安価で歯を維持できます。虫歯治療と予防歯科では通院回数も異なるため、そういった意味合いでも、予防歯科は通うべきです。

症状が出てから行くとなぜ良くないの?

歯医者さんは、「歯がしみたり痛かったり、虫歯になったら通うところだ」と思われることが多いです。ところが、そのような歯医者さん通いをしている人の場合、初期に細菌感染を見つけることが難しく、大きく歯を削ったり、被せ物などの処置を行う必要があります。細菌感染で弱ってしまった歯にダメージを受けます。保険適用の詰め物や被せ物の材料を選択すると、経年劣化で本来の歯と被せ物や詰め物に隙間が生じ、そこから細菌が侵入し二次虫歯などのリスクが高まります。

予防歯科に通う歯を残せる可能性が高い!

予防歯科へ定期的に通っていると、早期に発見できる可能性が高く、歯を削らずに済む場合があり、ダメージがありません。虫歯が出来た時だけ歯科医院へ通院する方と、予防歯科へ定期的に通っている方を比べると、予防歯科へ通っている方はご自身の歯の残存率が上がります。厚生労働省と日本歯科医師会が推奨する8020運動がありますが、80歳以上で20本以上の歯を残せると、自分自身の歯で一生食事を楽しめ、咀嚼の刺激が脳へ伝達することで、認知症などのリスクを減らす可能性があると言われています。

参照先:厚生労働省

天然歯の重要性を考える

天然歯の重要性は何といっても、強い力で噛める安定性です。人工歯を入れる治療を義歯治療と呼び、入れ歯やブリッジ、インプラントなどがありますが、入れ歯を入れた部分のあごの骨には噛む刺激が伝達されず、不安定です。噛む刺激が伝達されなければ、どんどんその部分がやせてしまいます。ブリッジは隣接歯に大きく負担をかける構造であり、インプラントは自費治療のため費用が高いです。

あごの骨がやせてしまうと、歯茎も影響を受けます。歯茎がやせると義歯の周囲の歯が抜けてしまうトラブルになり、天然歯がどんどん減る悪循環に陥ります。天然歯があるならば、なるべくそれを健康に使えるようにすることが大切です。

予防歯科の重要性に関するQ&A

予防歯科とは具体的にどのようなことを指しますか?

予防歯科とは、定期的な歯科医院の訪問を通して、歯垢や歯石、バイオフィルムの除去、歯磨きの癖の正し、指導を受けることです。これにより細菌感染(虫歯や歯周病)の早期対処が可能となり、歯や歯肉の状態を維持することができます。

予防歯科の重要性はどのようなものですか?

予防歯科の重要性は、定期的な通院によって歯や歯肉を健康に保つことにあります。これにより、天然歯を長期間維持でき、コストの面でも安価になります。また、早期に問題を発見できるため、大掛かりな治療が不要になることもあります。

予防歯科に通うことは将来健康な歯を残す可能性に繋がりますか?

予防歯科に定期的に通うことで、歯の問題を早期に発見し、対処することができます。これにより、不必要な歯の削減を避けることができ、天然歯の残存率が高まります。長期的に見て、自分の歯で食事を楽しむことができ、健康状態の維持にも寄与します。

まとめ

予防歯科の重要性で真っ先に挙げられるのが健康なお口の状態を維持できるという点です。年齢を重ねるにつれ、自浄作用のある唾液の分泌が減少し、歯周組織の細菌感染リスクも上がります。予防歯科で歯を定期的に大切にメンテナンスしておくと、ご自身の体の健康にもつながります。

予防歯科の重要性については、以下の研究からいくつかの重要な点が指摘されています。

1. 総合的な予防の重要性
予防歯科は、口腔疾患の発生を防ぐための包括的なアプローチです。定期的な歯科検診と良好な口腔衛生習慣の組み合わせが重要であり、アルベオラー骨の喪失を防ぐことも含まれます。予防歯科は、歯の問題だけでなく、全体的な口腔の健康を評価することを目指しています。【Vishnupriya Bs et al., 2022

2. 効果とコスト効率
予防歯科は、口腔健康に大きな利益をもたらしますが、社会的な政策やコスト効率に関するデータは限られています。予防歯科の効果は、行動変化や健康指標の面で報告され、態度、知識、サービスの利用の改善に関する研究は意図的に除外されました。この研究では、予防歯科の大部分が口腔健康に利益をもたらすことが見いだされました。【Juntana Pattanaphesaj & Pritaporn Kingkaew, 2018

これらの研究により、予防歯科は口腔疾患の予防だけでなく、全体的な口腔健康の維持において重要であり、特にコスト効率の観点からも効果的なアプローチであることが明らかになっています。定期的な歯科検診と良好な口腔衛生習慣の組み合わせは、健康的な口腔環境を維持するための鍵です。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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