歯が痛い時の対処法|西宮クローバー歯科・矯正歯科

HOW TO DEAL WITH TOOTHACHE

歯が痛い時の対処法

歯痛の原因

歯が痛いと言っても歯が原因のものと歯が原因でないものがあります。
それぞれについてご説明します。

歯の構造

歯痛の原因、種類と症状

歯原性歯痛
(歯や歯の周りに由来する痛み)

歯に由来する痛み

虫歯(う蝕)

虫歯

虫歯は虫歯を発生させるミュータンス菌などの虫歯原因菌による感染症のひとつで、虫歯原因菌が出す酸により歯が溶かされ、歯に穴が開いてしまう病気のことです。
ミュータンス菌は砂糖を栄養源としてプラークを形成します。
そしてプラークの中で酸を作り出します。
その酸が歯を溶かします。(脱灰)
穴が開いてしまうといわゆる虫歯になります。

虫歯は自覚症状が出にくいのが特徴ですが、進行してくると
・熱いものや冷たいものがしみる
・痛みが持続する
などの症状が出てきて、そのまま放置するとやがて歯の神経や血管にまで菌が侵入し、耐え難い痛みが出ることもあります。
重度になると歯の神経を抜くしか対処法がなくなってしまいます。

知覚過敏

知覚過敏

知覚過敏とは、虫歯ではないのに冷たいものや甘いもの、風があたった時や歯みがきをした時に歯にしみたり痛みを感じる症状のことです。
知覚過敏の場合の痛みは一過性であることが特徴で、虫歯などの病変がない場合に見られる症状のことを指します。

なぜ知覚過敏が起こるかというと、歯の表面が傷ついたりすり減ったりして象牙質がむき出しになり、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなること、また、加齢などにより歯茎が後退し(歯肉退縮)、象牙質が露出することで知覚過敏になることもあります。

歯肉退縮の主な原因

不適切な歯のブラッシング (強い力でブラッシングする、歯ブラシを大きく動かすなど)
噛み合わせの異常
歯周病の進行
加齢など

虫歯と知覚過敏の見分け方

  知覚過敏 虫歯
痛みが続く時間 一瞬だけ 数分間続くこともある
痛みの増加具合 ほとんど増加しない 時間と共に増加する
しみる歯を叩いた場合 痛みはない 響くような鋭い痛み
歯の見た目 ・歯の表面はきれい
・歯の根元が露出し、歯が長く見える
・歯に茶色〜黒色に変色している
・穴が開いている

破折(歯が割れる、欠ける)

歯の見えている部分が割れたり欠けたりすることを歯冠破折、歯茎に埋まっている部分の破折を歯根破折といいます。
以外にも破折は歯周病と虫歯に続き歯を失う理由の第3位となっています。

破折
歯を失う原因

破折は、神経を取り除いたりして歯質が劣化しているところに食いしばりや歯ぎしりで強い力が加わることで発生することが多い疾患です。

歯根破折の初期症状

神経を抜いた歯に違和感がある・むずむずする
歯が響くような感覚や浮いたような感覚がある
歯茎に白いできものが出来る
被せ物(差し歯)が取れた、取れやすい

歯の割れ目から細菌が入り込み、上記のような初期症状を経て、硬いものを食べると痛む、歯肉が腫れたり膿が出るなどの症状が出るようになります。

歯茎に由来する痛み

歯周病

歯周病
歯肉炎

歯周病は初期段階で痛みを感じることはほとんどなく、痛みを感じる頃になると症状はかなり進行しています。
歯周病は初期段階では腫れや出血が気になることがあっても痛みを感じることはほとんどありません。

歯周病が少し進行すると歯の根に水が触れた時に痛みを感じるようになります。歯の周りが重く感じるようになります。
さらに進行すると歯の根に膿が溜まり腫れ、ここまで進行すると我慢出来ない程の痛みを感じることがあります。

そして症状が進行すると最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病は痛みを感じた段階ではすでに手遅れになっていることも多いため、定期健診を受診し、早期発見していくことが大切です。

智歯周囲炎(親知らず)

親知らず

親知らずは智歯とも呼ばれ、智歯周囲炎とは親知らずが原因で起こる歯肉・歯周組織の炎症のことです。

最近の日本人は顎が小さいため歯が正しい位置に生えてこないことが多く、うまく生えてこなかった親知らずは一部が露出していて残りの部分は歯茎に覆われているため、歯と歯茎の間に袋状の隙間が出来、そこに細菌や食べかすが入り炎症を起こします。
これが智歯周囲炎です。

また、親知らずは扁桃や咽頭、咀嚼筋などと近接しているため、炎症が近接する組織に波及ます。
智歯周囲炎になった時、奥歯に鈍い痛みを感じたり、強く噛んだ時に痛みを感じたりします。
また、口を開けにくくなったり耳や顔面にまで痛みがひろがり、飲み込む時に痛みを伴うなどの症状が出ることもあります。

非歯原性歯痛
(歯以外に原因がある痛み)

歯や歯周組織に異常がないにも関わらず歯に痛みを感じる状態を非歯原性歯痛と言います。
様々な分類があり、原因が違えばそれぞれの治療法も異なります。
歯を抜いても症状が改善することはないため、注意が必要です。

非歯原性歯痛の分類

筋・筋膜性歯痛 顎の筋肉痛に由来する痛みです。歯ぎしり、食いしばり、噛みしめ癖がある人に多く見られます。
神経障害性歯痛 神経痛の症状として歯に痛みが出る疾患です。瞬間的な激痛を感じる場合と、じりじりと焼け付くような痛みが24時間続く場合があります。
神経血管性歯痛 片頭痛や群発性頭痛の症状の一つに歯痛を生じる場合があります。歯ではなく、頭痛の治療が必要となります。痛みは数時間持続した後消失し、発作時以外に痛むことはありません。
心臓性歯痛 心筋梗塞などの心疾患に関連した歯痛で、運動により痛みが生じることが報告されています。多くの場合は胸痛と下顎と歯の痛みが同時に起こりますが、歯痛だけが出ることもあります。早急に心臓の専門医に受診することが重要です。
上顎洞性歯痛 上顎の奥の空間に炎症が生じる(蓄膿)疾患です。関連痛や炎症がだんだんとひろがり、歯痛を生じることがあります。風邪などに伴う、鼻の影響による副鼻腔炎の場合は、耳鼻科での治療が必要になります。
精神疾患による歯痛 身体表現性生涯や統合失調症、うつ病などによって歯痛が出現することがあります。精神科の対応が必要となります。
突発性歯痛
(非定型性歯痛)
歯原性歯痛でなく、非歯原性歯痛でもない、どの分類にも当てはまらない、いわば原因不明の歯痛です。時間の経過によって判明する場合もあります。

自宅で出来る歯痛の対処法

歯が痛くなったらそのまま放置せず、なるべく早く歯医者を受診するようにしましょう。
とは言っても休日だったり夜間だったりと、すぐに歯医者に行けない時にご自宅でも出来る応急処置をご紹介します。

患部を冷やす

歯が痛い時は、アイスノンや冷えピタ、氷嚢や冷やしたタオル等 を使い、頬から間接的に患部を冷やすことにより、痛みを和らげることが出来ます。
患部を冷やすことで血流を抑えられるので、痛みを抑えることが出来ます。
ただし、冷たさにより痛みを感じる場合は冷やすことで痛みを助長してしまうことがあります。

保冷剤

お口の中を清潔にする

歯の痛みの原因として、食べかすなどが詰まって神経を圧迫したり、炎症の原因になっている可能性があります。
常温の水でお口を濯いだり、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスで優しく汚れを取り除きます。
強く刺激したりするとかえって痛みが増すことがあるので注意しましょう。

歯ブラシ、歯間ブラシ

痛み止めを飲む

市販の鎮痛剤を飲んで痛みを凌ぐ方法もあります。
液体カプセルタイプは錠剤に比べて効果が現れるのが早いと言われています。

鎮痛剤

安静にする

疲れて免疫力が落ちると痛みが増すことがあります。なるべく安静にして休むよう心がけましょう。

眠る女性

冷たい物や熱い物を控える

冷たい物に対して痛みを感じる場合は氷の入った飲み物やアイスクリームなどの冷たい物を摂るのを控えましょう。
同様に、熱い物に対して痛みを感じる場合は熱い物を摂るのを控えましょう。

熱い物、冷たい物
歯が痛い時に控えた方がいいこと

患部をいじる

痛みが気になり、なんとかしようと患部を触りたくなる気持ちはわかりますが、患部に触ると細菌に感染する恐れがあることと、刺激が神経に伝わり痛みが増すことが考えられるため、患部を触るのは控えるようにしましょう。

女性

血流がよくなるようなことをする

血流がよくなると痛みが増す可能性があるため、熱いお風呂に入る、激しい運動をする、飲酒をするなど、血流がよくなるようなことは控えるようにしましょう。

走る

刺激物をとる

タバコやお酒など、体の刺激になるものは痛みが増す原因になります。

お酒とタバコ

無理をする

歯の痛みがある時は出来る限り無理をせず体を休めるようにしてください。

女性

歯痛予防のための日常ケア

歯痛の原因となる虫歯や歯周病を下げることにつながる、歯によい生活習慣をご紹介します。
すぐに取り組むことが出来る習慣ばかりです。やりやすいものから取り入れてみましょう。

歯磨き

食後は必ず歯磨きする

お口の健康のためには食後の歯みがきがとても大切です。
食後すぐに歯をみがくことで虫歯菌などの棲み処になるプラークの増殖を抑制することが出来ます。

お菓子

甘いもの、酸っぱいもの、炭酸飲料を摂り過ぎない

糖分は虫歯菌のエサになり、甘いものを摂りすぎると虫歯菌が増え、虫歯のリスクが高まります。
また、酸っぱいものや炭酸飲料を摂ると、お口の中が酸性に傾きます。そうすると歯が溶けて脆くなり、虫歯の進行に原因になります。

食事

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることで唾液の分泌量が増え、お口の中の菌の増殖を抑えることが出来ます。
柔らかいものばかリ食べているとあまり噛まないため、唾液の分泌量が減ってしまいます。硬いものを積極的に食べるようにしましょう。

寝る前の食事

寝る前の食事は控える

寝ている間は唾液の分泌量が減るため、お口の中に残った食べかすや糖分をエサにして菌や雑菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
就寝中の口内環境を清潔に保つためにも寝る前に食べるのを控えましょう。

お酒、たばこ

お酒、タバコを控える

アルコールは利尿作用があるため、身体が乾燥し、唾液の分泌量が減ります。就寝前に摂取するのは特に控えるようにしましょう。
タバコは歯周病のリスクを5倍以上に高くさせる危険因子です。
吸う本数が増える程リスクも増大するため、出来るだけ喫煙を控えるようにしましょう。

定期健診

定期健診を受診する

歯医者で定期健診を受診すると虫歯や歯周病の早期発見や予防につながります。
早期発見、早期治療が出来ると治療時の身体的負担や治療費の軽減にも繋がります。定期健診を受診してお口の健康に維持に努めましょう。

定期健診の詳細へ

歯痛が起こるメカニズム

歯の構造

歯は外側から、エナメル質、象牙質、歯髄(神経)で出来ています。
一番外側のエナメル質は非常に硬く、少し傷ついても唾液の力で修復することが出来ます。(再石灰化)
エナメル質には神経がないため、痛みを感じることはありません。

エナメル質の内側にあるのが象牙質という組織です。
象牙質には象牙細管という帆沿い管が集まっており、象牙質が刺激を受けると象牙細管を通して刺激が伝わり痛みを感じる他、神経が直接刺激を受けたり炎症が起きると痛みを感じます。
損傷が象牙質に留まらず、神経にまで達すると耐え難い痛みが生じることになります。

損傷を受けた組織は炎症を起こし、痛みや熱、腫れなどの症状が現れます。

よくある質問とその回答

  • A:ストレスで歯が痛くなることはあります。
    ストレスが直接的に歯痛の原因になっているのではなく、ストレスにより間接的に体の低考力が落ちることが原因です。
    精神的ストレスにさらされるとカテコールアミンというホルモンの血中量が増え、歯の周囲の血管が充血し、痛みが生じます。
  • A:歯の痛みには様々な原因がありますが、神経に達した虫歯の場合ですと痛みは3〜4日程続きます。
    それを過ぎると痛みは治まりますが、神経が死んでしまって痛みを感じないだけで虫歯が治ったということではありません。
    痛みを感じないだけで虫歯は進行していますので、出来るだけ早く歯医者を受診するようにしてください。
  • A:鎮痛剤を服用する
    歯科医院で処方されたものだけでなく、ドラッグストアで販売されているものでも可能です。効果・効能の欄に「歯痛」と書かれたものを選ぶようにしましょう。
    お口の中を清掃する
    歯と歯の間や虫歯で開いた穴に食べかすが詰まることで歯痛になることがあります。その場合は歯みがきやうがいをすることで痛みを取り除くことが出来ます。
    患部を冷やす
    直接患部を冷やすのではなく、頬側から水で冷やしたタオルや解熱シートを使って冷やすようにしてください。
  • A:歯が痛い状態で放置してはいけません。
    歯が痛い状態で放置してくと次のようなことが起こる可能性があります。
    歯を失う
    痛みの原因が虫歯や歯周病だった場合、放っておくと症状が進行し、最終的には歯を失うことになります。
    感染が全身に広がる
    虫歯を引き起こす細菌は歯だけにとどまらず、歯の骨の中に広がると骨髄炎という感染症を引き起こします。さらに細菌が血管に入り込むと血液を介して全身に回り、脳や心臓に達すると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすおそれがあります。
  • A:
    合谷
    合谷(ごうこく)…万能のツボとも呼ばれています。
    手の甲側の親指と人指し指の骨が交差した部分から、人差し指へ向かって押していき、痛みを感じるくぼみが合谷です。
    歯痛点
    歯痛点(しつうてん)…その名のとおり、歯が痛い時におすすめのツボです。
    手のひらの中指と薬指の付け根の間に位置しています。
より詳しい内容は下記サイトをご覧ください。
 
電話受付時間 月〜日 9時〜13時 / 14時〜20時 (水・祝除く)